肌のバリア機能はなぜ重要なの?

私たちの体の表面を覆っている皮膚は、紫外線やほこりなどの外的刺激でダメージを受けないよう身体を守っています。
皮膚は、身体を外部刺激から守りながら、水分が必要以上に蒸発することを防ぐ「バリア機能」の役目もはたしています。

 

 

バリア機能の役割

肌の水分量を保ち、健やかな肌でいるためには、「バリア機能」が整っている必要があります。
肌が乾燥したり、外部刺激を受けやすく、肌荒れや痒みなどの肌トラブルあるということは「バリア機能」が低下している証です。敏感肌や乾燥肌というのは、「バリア機能」が整っていないときに起こる症状です。日々新しい細胞を作り出し、新しく肌が生まれ変わるサイクルである「ターンオーバー」が乱れ、角層の保湿成分が不足すると、肌の「バリア機能」も整わなくなり、肌トラブルが発生します。肌の「バリア機能」は、健やかな肌を保つうえで欠かせない、重要な機能です。

 

 

バリア機能の仕組み

肌の「バリア機能」は、肌の水分量が保たれている状態で維持されます。
肌の水分量は、三大保湿因子によって保たれています。三大保湿因子は、「天然保湿因子(NMF)」、「角層細胞間脂質(セラミド)」、「皮脂膜」です。

 

肌のバリア機能を持つのは、私たちの目に触れる肌の、表皮のいちばん外側で外界と接している角層です。
角層は厚さ0.02mm、ラップほどの厚さのなかに、うるおいを蓄えています。角層に20〜30%の水分を含んでいると、肌のバリア機能が保たれた、健康な肌です。角層細胞内で水分を保持するのは、「天然保湿因子(NMF)」です。角層細胞の保湿成分が不足すると、細胞の形が乱れ、きれいに並ぶことができなくなり、隙間から大切な水分が逃げてしまいます。この角層細胞間の隙間を埋める役割をするのが「角層細胞間脂質(セラミド)」です。そして、肌のいちばん外側の「皮脂膜」が肌を覆う膜となり、水分の蒸発を防いでいます。

 

この三つの保湿因子が健やかにバランスよく整っていると、肌の「バリア機能」が働き、うるおいのある美しい肌になります。しかし、乾燥した外気などによってかゆくて肌を掻くなどのダメージを受けると「バリア機能」が低下してしまいます。

 

 

バリア機能の低下

角層の水分量が不足し、肌の「バリア機能」が低下すると、肌が乾燥します。
肌が乾燥すると、外部刺激に敏感になり、肌トラブルを起こしやすくなります。ほんの些細な刺激にもかゆみを感じやすくなり、肌をかきむしって炎症が起こることもあります。炎症が起こると、外からウイルスや細菌が侵入しやすくなり、湿疹を発症することもありますし、かくことを止められないという悪循環で、更に肌を傷めてしまうこともあります。肌の「バリア機能」が低下する原因は、日常生活の中にあります。原因は一つではなく、いくつかの要因が重なることも多いので、生活を見直してみることも大切です。適切な肌の保湿ケアを行って、肌の「バリア機能」をサポートしましょう。

 

肌の「バリア機能」が低下する原因の一つに、ストレスがあります。外的ストレスは、冷暖房の風による乾燥や、紫外線、過剰な洗顔などの間違ったスキンケアなどです。
肌は外的なダメージを受けると、角質が傷つき、「バリア機能」が低下する原因になります。内的ストレスは、睡眠不足、ダイエットによる栄養不足、ホルモンバランスの乱れなどです。
免疫力や、ターンオーバーの乱れとともに、「バリア機能」が低下する原因になります。ストレスをためないように、なるべくリラックスを心がけ、ゆったりとした気分で過ごすことが、肌の「バリア機能」を高めることになります。

 

 

肌の「バリア機能」は、肌の表面にある角層が水分を蓄え、乾燥などの外部刺激から肌を守る役割のことです。肌が健やかでうるおった状態を維持できるように、適切なケアで、肌の「バリア機能」を保っていきましょう。