肌のターンオーバーってなに?
ターンオーバーとは、肌の細胞が一定のサイクルで新しく生まれ変わることです。
肌のターンオーバーは、約4週間(約28日)周期のサイクルで起きています。
ターンオーバーの仕組み
肌は、外側から順に、「表皮」、「真皮」、「皮下組織」の層状の構造をしています。私たちが普段目にしている肌は、一番外側の「表皮」で、厚さ約0.2ミリと、図書カードほどの薄さです。肌の「表皮」は、さらに、「角層(かくそう)」、「顆粒層(かりゅうそう)」、「有棘層(ゆうきょうそう)」、「基底層(きていそう)」の四層構造になっています。最も外側にあるのが「角層」で、乾燥から身体を守っています。表皮の内側の基底層では、細胞分裂によって毎日新しい角化細胞(ケラチノサイト)が生まれています。角化細胞(ケラチノサイト)は、後から後から毎日新しく生まれてくる細胞に、少しずつ押し上げられていき、有棘層、顆粒層を通って、角層に達したところで、角層細胞に変化します。ここまでで約2週間です。さらに約2週間かけて角層の表面である外側に押し上げられていき、一番外側に達すると、少しずつ自然にはがれ落ちていきます。剥離して剥がれ落ちていくのは、見えないほど小さいアカや古い角質です。この角化細胞(ケラチノサイト)の生まれ変わりが、肌のターンオーバーです。
ターンオーバーの役割
ターンオーバーが正常に働くと、肌は常に新たな細胞に生まれ変わり、健康な状態を保つことができます。
肌が何らかのダメージをうけても、自然に剥がれ落ち、きれいな肌に生まれ変わります。角層では、細胞が水分をたっぷり含んでいます。角層に20〜30%の水分を含んでいることが、健康な肌の証です。細胞の保湿成分によって、肌が紫外線やほこりなどの外的刺激でダメージを受けることを防いでいます。しかし、ターンオーバーがうまく機能しないと、肌は良い細胞を育てることができません。肌に古くなった細胞がいつまでも剥がれず残ってしまうと、細胞が新しく生まれ変わるスピードが落ちてしまいます。細胞の保湿成分が不足すると、細胞の形が乱れ、きれいに並ぶことができなくなり、隙間から大切な水分が逃げてしまいます。細胞の水分量が足りなくなった肌はバリア機能を損ない、乾燥しやすくなり、肌荒れやシワなどのトラブルが起こるようになるのです。肌荒れの症状は、皮膚のカサつきや白い粉のようなものの出現、赤みや赤みによる痒み、くすみ、シミ、ニキビなどの吹き出物、湿疹などです。
ターンオーバーの乱れ
ターンオーバーがうまく機能しなくなる原因はさまざまです。
原因は一つではなく、いくつかの要因が重なることも多いので、生活を見直してみることも大切です。外的要因は、過剰な洗顔や、過度の摩擦、冷暖房による乾燥や紫外線などです。内的要因は、加齢によるターンオーバーの遅れ、ストレスや睡眠不足、ダイエットによる栄養不足、ホルモンバランスの乱れなどがあります。ターンオーバーと、肌の再生や成長に必要とされるホルモンは、特に睡眠中に多く分泌されるので、寝不足にならないようにしましょう。ストレスは、ホルモンバランスにも影響を及ぼすので、なるべく溜めないようにリラックスを心がけます。ホルモンバランスが乱れると、皮脂の分泌を促す黄体ホルモンなどにも影響が出て、肌トラブルが起こりやすくなります。肌に合わない化粧品を使い続けることも肌を乾燥させ、ターンオーバーを乱します。肌はとても薄くて、デリケートなものです。洗顔時に強く擦りすぎたり、熱すぎるお湯をかけることも乾燥をまねきます。肌のために行っているスキンケアで、あやまって肌のターンオーバーを乱さないように注意しましょう。
ターンオーバーが正常に働くと、みずみずしくてハリがあり、きれいな肌になります。生活を見直し、適切なスキンケアで、周期を保っていきましょう。