最近よく聞く「ヤセ菌」ってなに?

便秘の人が太りやすいと言われていますが、それは腸内に存在している腸内細菌が関係しています。痩せている人は「ヤセ菌」という菌が多く腸内に増殖し、太っている人には少ないという結果が出ています。今回はダイエットしたい人の腸内環境に関わるヤセ菌に関してわかりやすく解説します。

 

ヤセ菌とはどのような菌?

 

ヤセ菌とは、ずばり「バクテロイデス門」と呼ばれる菌です。分類で区分すると、善玉菌よりの働きを持つ日和見菌です。
人間の腸内環境には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌という3種類の菌がいます。善玉菌は腸内の中で、消化や腸内環境を整え、消化の機能を良くします。悪玉菌はおならや過酸化脂質を作り出しますが、少量なら腸内環境に必要です。悪玉菌は悪玉菌にしか分解できない栄養素があるからです。日和見菌は善玉菌と悪玉菌の割合が多い方の働きをする細菌で、腸内環境の状態を決める大多数になります。
バクテロイデス門はこの中で、日和見菌であるものの、善玉菌と共に腸内を良くする働きがある菌です。バクテロイデス門の菌が食べ物を分解すると短鎖脂肪酸が作られ、体内の脂肪蓄積を防ぐ作用があります。
フィルミクテス門は、発酵食品に豊富に含まれている善玉菌なります。善玉菌として健康に効果がありますが、最近の研究で肥満体の人に多くの菌がいることが判明しました。

 

 

痩せている人にはヤセ菌が多い!!

痩せている人と太っている人とでは腸内環境が大きく異なることが研究によって判明しています。これは、マウスの実験で、食事が同じでも痩せているマウスと太っている違いを調べた所腸内細菌の種類が大きく違うことが判明しました。
その結果、マウス存在している腸内細菌を太っているマウスに対して、多く与え、腸内環境を改善した所、みるみる痩せていったのです。逆に、痩せているマウスに太っているマウスがいる環境の腸内細菌が増えるような食事を与えた所、太ったという結果が出ました。
つまり、痩せている人はバクテロイデス門の割合が腸内環境に多く、フィルミクテス門が多い人は肥満体に変化しやすくなります。この割合は食事によって大きく変わります。
人間は、雑食で植物から魚、肉といった様々なものから栄養を摂取します。そのため、食習慣を変え、ヤセ菌が多くなる腸内環境づくりを意識することは、ダイエットのために役立ちます。

 

 

ヤセ菌を増やすにはどのような食事が良いのか?

ヤセ菌を増やすには、食事のカロリーがとても重要です。先程紹介したバクテロイデス門は標準カロリーの食事を食べることで多く増やすことができます。食材で食べると増える成分は炭水化物や食物繊維が豊富に含まれている食材です。特に食物繊維は、満腹感を与えて腸内を綺麗にする不溶性食物繊維とバクテロイデス門を含む善玉菌が好む水溶性食物繊維両方をバランス良く摂取することがポイントです。不溶性食物繊維はごぼうや人参、れんこん、大根と言った和食中心に使用される野菜の根菜類に豊富に含まれています。水溶性食物繊維はわかめや昆布といった海藻類に含まれています。
逆に、高脂肪の食事を摂取し続けると悪玉菌が多くなるだけではなく、フィルミクテス門の数も増加する傾向が研究で判明しました。サラダやスープといったもので、食物繊維を意識的に摂ることがヤセ菌を増やすポイントなのです。

 

 

まとめ

ヤセ菌は、人間の大腸内の環境で日和見菌の一種のバクテロイデス門と呼ばれる菌です。この菌は善玉菌が多い環境の場合、腸内の分解される短鎖脂肪酸が脂肪蓄積を抑制する働きがあるためです。高脂肪の食事を摂取し続けると、減少する傾向があり、同じ善玉菌でも太りやすいと言われているフィルミクテス門の割合が多くなります。2種類の食物繊維を摂ることでバクテロイデス門を多く増やすことで痩せやすい体質を手にすることができます。